マッシュ
今回は就活の時に購入し活用した「科学的な適職」を紹介します。
全て読み終えた感想を先に書くと、データに基づき分析することが好きな人や起こりうるトラブルを事前に把握したい逆算型の人は特に好きそうな本だと思いました。
しかし、専門用語(横文字)が多く、この用語の意味何だっけ?!と読み返すことが多かったり、紹介されているテクニックのボリュームが多く活用するのに時間がかかる点から、まずは自分の性格や状況に合った本なのか確認することをおすすめします。
ちなみにわたしが何度も読み返して感じた感想は仕事で悩むことを事前にを知っておくことで、複数の選択肢を考えておける点が魅力的に感じました。
例えば、転職したけどブラック企業ですぐに辞めることもある。その場合のことも考えておこうなど。
このブログでは各ステップごとの簡単な紹介とわたしが感じたことをまとめましたので、よかったら参考にしてくださいね!
それではご覧ください。
- これから就活をする人
- 今の仕事にモヤモヤしている人
- 自分の仕事に対する価値観が知りたい人
Contents
科学的な適職とは
「科学的な適職」とは統計データなどの科学的根拠に基づき、自分の価値観やライフスタイルにはどんな仕事が合うかを知ることで自分にとって正しいキャリア選択の確率を上げる本です。
複数のデータから仕事選びに役立つテクニックを5ステップで紹介しています。
ステップごとの紹介とわたしが感じたこと
ステップ1:幻想から覚めるー「仕事選びにおける7つの大罪」
「好きを仕事に」
「自分の適性に合った仕事をやる」
仕事選びをする際にこのようなアドバイスを受けたことはありませんか?
このようなコピーがついた広告に心が動き、クリックした経験はありませんか?
わたしはあります。
これらのアドバイスはすべて幻想です。
ステップ1では仕事選びでありがちな定番のミスを7個紹介しています。
大罪1:好きを仕事にする
大罪2:給料の多さで選ぶ
大罪3:業界や職種で選ぶ
大罪4:仕事の楽しさで選ぶ
大罪5:性格テストを選ぶ
大罪6:直感で選ぶ
大罪7:適性が合った仕事を選ぶ
【引用】鈴木祐.「仕事選びにおける7つの大罪」.『科学的な適職』. 小早川幸一郎,株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2019, p.41
とくにわたしが共感したのは「真の天職は【なんとなくやっていたら楽しくなってきた】から見つかる穏やかなプロセス」という一文です。
というのも、わたしがデザイン業界に転向したのは「WEBデザイン好き」「WEBデザイナーになりたい」ではなく「家庭と両立しやすい仕事をしたい」という気持ちが動機であり、なんとなく続けていると感覚があるからです。
そして、わたしにとっての天職とは時に辛いことや上手くいかないことがあっても淡々とこなせる仕事なのかなと思いました。
ステップ2:未来を広げるー「仕事の幸福度を決める7の徳目」
ステップ2では「仕事の満足度」について仕事の幸福度を決める7の徳目を紹介しています。
徳目1:自由ー仕事内容や働き方に裁量がある
徳目2:達成ー前に進んでいる感覚を得られる
徳目3:焦点ーモチベーションタイプに合っている
徳目4:明確ーなすべきごと、ビジョン、評価軸が明確である
徳目5:多様ー作業内容にバリエーションがある
徳目6:仲間ー組織内に助けてくれる友人がいる
徳目7:貢献ーどれだけ世の中の役に立っているか分かる
【引用】鈴木祐.「仕事の幸福度を決める「7つの徳目」」.『科学的な適職』. 小早川幸一郎,株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2019, p.101-102
この徳目は「仕事の満足度」について調べた259のメタ分析であきらかになったものです。
この徳目を利用して、例えば自分にとっての「自由」とは何なのかを深堀りしたり、7つの徳目の中で自分の優先順位を何なのか考えることで、自分にとって幸せな働き方は何なのかの視野を広げられると思いました。
ステップ3:悪を取り除くー「最悪の職場に共通する8つの悪」
ステップ3では「人間がストレスを感じやすい職場の条件」が書かれています。
1:ワークライフバランスの乱れ
2:雇用が不安定
3:長時間労働
4:シフトワーク
5:仕事のコントロール権がない
6:ソーシャルサポートがない
7:組織内に不公平が多い
8:長時間通勤
【引用】鈴木祐.「職場の「8大悪」ワーストランキング」.『科学的な適職』. 小早川幸一郎,株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2019, p.172
この8つの項目が目当ての会社に当てはまるがチェックします。
しかし、本書にも書いてありますが、求人情報や会社のホームページを見てストレスを感じやすい職場か見抜くことは難しいので、面接などで直接質問をしてみると良いと思いました。
例えば、わたしの場合は子どもが小さいので「急な休みとはとれるか」などを自分のワークライフスタイルを維持できる職場なのかに重点をおき、面接で質問をしました。
ステップ4:歪みに気づくー「バイアスを取り除くための4大技法」
人間の意思決定力には生まれつき深刻なハグを抱えているそうです。
ハグとは分かりやすくいうと「偏ったものの見方」のこと。行動経済学ではこのハグのことを「バイヤス」と呼んでいます。
ステップ4ではさまざまなバイアス(偏ったものの見方)が紹介されています。
例えば「サンクコスト」。
これは時間やお金をかけた分だけ、自分にとってメリットがなくても辞める選択ができない状態で、過去の自分を振り返ってもこのような状態に陥ったことがあります。
まずは「自分が大丈夫だ」と思っても無意識のうちに判断を誤ることがあると認識することが必要だと思いました。
次に、自分自身のバイヤス(偏ったものの見方)に気付いたら紹介されている4つの手法で自分自身のことを客観視します。
1:10/10/10テストーこの選択をしたら10分後・10ヶ月後・10年後にはどう感じるか
2:プレーモータムー❶敗北の想定❷原因の探索❸過程の想起❹対策の考察を行う
3:イリイスト転職ノートー1日15分〜自分がその日行った「職選びに関する意思決定」の内容を三人称で書く
4:友人に頼るー360度フィードバック、クローズドクエスチョン、親友イメージングを活用
【引用】鈴木祐.「時間操作系プロトコル」.『科学的な適職』. 小早川幸一郎,株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2019, p.208-229
この手法を繰り返すことで自分自身の理解への精度が増し、自分に合った適職が見つかる近道になると思いました。
ステップ5:やりがいを再構築するー「仕事の満足度を高める7つの計画」
ステップ5ではまず、就職後に「自分がこの仕事を選んで正解だったのか」判断するために「ヒエラルキー分析」と「仕事満足度尺度」を紹介しています。
この2つの手法は簡単に説明すると仕事の満足度を判断するものです。
「本当に自分の選んだ仕事が正解だったか分からない」などボンヤリとした不安を明確にし、自分にとって耐えられない職場だったら転職、耐えられるようだったら、その不満に対しての解決方法を探ります。
耐えられるの基準は「やる気は出ないけど人間関係がいい」や「嫌なことはあるけど転職するほどではない」等の状況です。
そのような状況の場合は今の職場や実際に行っている業務に対して見方を変えてみたり、やりがいを見出す方法を考えることにエネルギーを使おう!と「ジョブクラフティング」という方法を紹介しています。
ジョブクラフティングとは自分の仕事を価値観に基いてとらえ直す手法。
分かりやすくいうと仕事に対する認識をを考え直し、自分にとってのやりがいを再構築すると考えるとイメージしやすいと思います。
本書には7つの手順でジョブクラフティング(仕事に対する認識をを考え直し、自分にとってのやりがいを再構築する手法)が紹介されています。
1:ビフォー・スケッチ
2:ビフォースケッチの省察
3:動機と嗜好のピックアップ
4:課題クラフティング
5:関係性クラフティング
6:認知クラフティング
7:アクション・プラン
【引用】鈴木祐.「ジョブクラフティングを進める7つの手順」.『科学的な適職』. 小早川幸一郎,株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2019, p.251-264
この手法を活用し、自分がしている仕事の価値を言語化することでモチベーションがアップできると思いましたし、定期的にこの手法を活用することで自分で自分の評価ができる指標になることも魅力的に感じました。
まとめ
いかがでしたか?自分に合いそうな本でしたか?
この本は1回だけでなく、何度も活用することで自分の適職を見つける精度を上げることができると感じたので今後も活用していきたいと思いました。